2012年1月1日日曜日

 主催者 山田忠弘の「憲法私案」です。
 ただ、これが会としての案ではなく、あくまでも個人の1案であることはご理解下さい。また自分で案をお持ちの方は、この場で紹介したいので、ご連絡下さい。

 新日本国憲法私案

        第1章  憲法

第1条(最高法規)
 憲法は、国民によって選択された、国の最高法規であり、憲法に反する法律、命令、規則、国務等の行為はすべて認められない。また、国民は憲法によって様々な権利を保障され、同時に憲法の遵守を義務とする。

第2条(憲法の解釈)
 ①憲法の解釈は、その制定時の意義に準拠して最高裁判所が判断する。個人、組織による解釈はこれを公 
  式には認めない。
 ②憲法は、国民すべての意志に基づいて作成されるものであり、広益制を持つものであ
  る以上、その解釈を一部の利益のためだけに利用してはならない。

第3条(憲法の非恒久的性質)
 ①憲法は、国家の最高法規であるが、時代や国際的な環境の変化とともに見直さなけれ
  ばならず、恒久的なものではない。
 ②この憲法の効力は最長でも50年限りとし、期限前に国民投票による改変、持続の是  
  非を問わなければならない。

第4条(国際法規の遵守)
 ①日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要
  とする。
 ②憲法の記載と反する国際条約、又は国際法規への調印を求められた時は、議会によっ
  てその是非を審議し、憲法の改正後に調印しなければならない。

第5条(憲法の改正)
 ①憲法は国民の意志の総意であり、憲法の改正、追加の決定はすべて国民投票によって行われ
  る。
 ②憲法の改正、追加発議は、議会の議員3分の2以上の賛成、もしくは、十万人以上の
  請願によって行われる。また、改正、追加における選択肢は、議会で定められる。
 ③憲法の施行より50年を経た時は、憲法の改変を国民投票により決めなければな
  らない。

第6条(国民投票)
 ①国民投票は、日本国籍を有する有権者によって行われる。
 ②国民投票は、3分の2以上の得票によって可決される。
 ③国民投票に不参加の国民に対しては、別法で定めた、応分の処置がとられる。

       第2章  国民の権利及び義務

第7条(国民主権)
  日本国の主権はすべての国民にその機会が与えられ、国家の運営、国民生活の保持、国 
 民幸福の追求は、主権者である国民によって選択され、決定される。

第8条(国民の要件)
 ①両親のどちらかが日本国民であれば、生まれながらにして国籍を取得する事が出来
  る。
 ②国籍の離脱の自由はこれを保障される。ただし復籍を望む者は、裁判所の審査によら
  なければならない。
 ③二重国籍はこれを認めない。

第9条(国民の政治的身分)
 ①民主主義制度の良質さを維持するために、国民の政治的身分は、主権者、受護者、
  制限者、皇室に分けられる。このうち政治的有権者は、主権者と、それを望む受護
  者となる。
 ②その概要は以下の通りになり、別法で要件を定める。
  主権者・20歳の成人以降、60歳までの日本国民となる。主権者は参政権などの政
      治的義務を果たさなければならない。
  受護者・20歳までの児童、未成年、または60才以上の者、また不自由者登録を受
      けている者、また、国家の保護を受けている者を指し、受護者は保護者とそ
      の責任を共有する。そして児童、未成年以外の受護者は、参政権などの政治
      的義務の参加は自主選択となり、他者がこれを強制してはならない。
  制限者・日本国民としての義務を果たさない者、また犯罪によって量刑を受けた者、裁
      判所から指定を受けた者は、その権利を制限される。その制限の期間、内容
      は、裁判所によって決められる。
   皇室・皇室については別章にて定める。

第10条(国民の持つ自由と権利)
 ①国民は、個人の自由、諸権利を憲法、またその他の法令によって保障される。
 ②個人の持つ自由、諸権利を行使するために、他者の持つ自由や権利,公共の福祉、普
  遍的な道徳を侵害することは許されない。
 ③個人の持つ自由や権利の範囲を狭めたりする動機にならないように、人間の良心や法秩
  序を悪用した行為に対しては、厳然たる対処を行ない、自由や権利の範囲を出来るだけ
  おおらかにするように、国民は努力しなければならない。

第11条(法の下の平等)
 ①国民は、法の下の平等を保障される。
 ②個人は他者を,性別、出自、人種、個人の履歴、財産、信仰、政治的見解、身体又は
  精神的制約などの様々な相違によって差別してはならない。
 ③個人に与えられた、栄誉、恩典は一代限りである。
 ④一部の人間や集団に対する特権的、永続的な制度は、存在してはならない。

第12条(国家の尊重)
 ①国家は、国民一人一人によって形成される共存社会であり、その機会によって選択し
  た決定は尊重しなければならない。
 ②国旗、国歌は法で定められたものを尊重し、使用しなければならない。
 ③国内、及び諸外国での滞在においても、日本国民は、自国の尊厳をけがすような行為を
  してはならない。

第13条(請願権)
 ①国民は、それぞれが持つ自由と権利を侵されたとき、国および公共の機関に救済を請
  願することが出来る。
 ②国民は、法、命令、規則などの集団的意志に対し、制定、廃止、改正などを、国、又
  は公共の機関に請願することができる。
 ③国民は、官民問わず、様々な集団、組織に不正、不法行為が見られる場合、国または
  公共の機関に調査を請願することができる。
 ④国民の請願に対し、請願を受けた公共機関は真摯に向かい合い、誠実に答え、請願者
  の秘密を守らなければならない。また請願者に対し、あらゆる集団、組織は、差別待
  遇をしてはならない。
 ⑤国民の有権者十万人から同一の請願又は署名があった場合、国民投票を実施しなけ
  ればならない。
 ⑥国民からの請願は、立法機関の下に設置される審査局を通し、該当する公共機関にゆ
  だねられる。

第14条(言論、表現、報道、出版の権利)
 ①言論、表現、報道、出版の自由は、国民の良心に基づいた自由であり、公共の機関、
  又はあらゆる集団、組織、個人による独占及び強制は認められない。
 ②言論、表現、報道、出版の自由を、明確な理由なく規制してはならない。
 ③虚偽、又は道義的行為から外れた言論、表現、報道、出版は認められない。
 ④いかなる組織も検閲を行ってはならない。また組織的な力を背景にして、言論、表現、
  報道、出版の自由を奪ってはならない。

第15条(思想、信教、信仰の自由)
 ①思想、信教、信仰は個人が持つ自由であり、他者、集団、組織による強制や強要は認
  められない。
 ②いかなる宗教団体も、政治な公権力は存在せず、またその持つ資産、財産を政治団体、
  または議員本人に寄付してはならない。
 ③公共の道徳、道義的行為から外れる宗教団体は認められない。

第16条(学問、芸術の自由)
 ①学問、芸術の自由は保障される。
 ②学問、芸術は万人のものであり、特定の組織等による独占を行ってはならず、あらゆ
  る差別から無縁である。
 ③学問、芸術に対する批評活動において、その手法の正当性、または良識を保持している
  者に対して疎外してはならず、妨害を加えてはならない。

第17条(著作、発明の自由)
 ①著作、発明の自由は、これを保障される。
 ②著作、発明の権利はすべてその案者等が持ち、当事者限りの権利となる。
 ③著作、発明の権利を売買してはならない。また貸与も案者等の許諾が必要となる。
 ④著作、発明の権利保護機関は、国によって中立的に運営される。また著作、発明の権
  利による利益は、すべて案者等の持つものとする。

第18条(集会、結社の自由)
 ①集会、結社の自由は、公共に対する濫用が認められなければこれを保障される。
 ②集会、結社の中で、他者への圧力、強制は認められない。
 ③集会、結社の規約は憲法の範囲を逸脱してはならない

第19条(居住、移転、海外への渡航、海外への移住の自由)
 ①国民は居住、移転、海外への渡航、海外への移住の自由を保障される。
 ②地理的、環境的要因の不具合は、居住する人間が責任を負わなければならない。
 ③海外情勢によっては、出入国を行政が判断し、規制することができる。

第20条(生活権)
 ①国民は、その生活を自由意志によって選択し、個人の良心の下、他者への不当な侵害
  がない範囲での、幸福の追求を認められる。
 ②国民は、家族、及び地域共同体などの相互扶助の下、最低限度の生活を保障され、国
  家はそれを全力で支援する。
 ③国民および日本国に存在する公的、私的機関は、国民の社会保障、福利厚生、公衆衛
  生の向上につとめなければならない。

第21条(保護権)
 ①国民は、他者をいかなる理由があろうとも、虐待、酷使、監禁してはならず、以上の
  ことが行われていることを知ったとき通報、保護する義務を持つ。
 ②国家は、国民に対するあらゆる圧迫、強制等から,保護する権利を持つ。
 ③保護者がいない受護者に対しては、地域共同体及び国家が責任を持つ。
 ④受護者は、保護者を選定することが出来る。
 ⑤判断力を持たない受護者に対し、不当な利益を上げる行為、性交渉の同意の判断、
  強制的な労働など反道義的行為は、保護権の観点から法を作成し、制限、禁止するこ
  とができる。
 ⑥受護者が保護者によって保護されていないと判断された場合、裁判所が保護者を選定す 
  ることが出来る。

第22条(家族権)
 ①国民個人は、最小の社会構成である家族に所属し、理由なくこれを放棄してはならな
  い。また独身生活者は単一の家族として認められず、その血縁親族の一員となる。
 ②家族内の受護者を、正当な理由なく放棄してはならない。
 ③家族内における選択は、個人の尊厳とあらゆる公平さに立脚されて行われなければなら
  ない。
 ④家族内における相続は、家族内の保護者を中心として行われる。

第23条(結婚、離婚)
 ①結婚によって新たな家族が形成される。
 ②当事者双方の合意があれば、結婚、離婚の自由は保障される。
 ③離婚の際、特別な理由がない限り、親権は、子供の成人まで夫婦双方が責任を持つこ
  とを義務づける。

第24条(生死の選択)
 ①国は倫理的な医療行為を保障し、国民に対して十分な環境の中で生死の選択権を与
  え、これを強制、侵害してはならない。
 ②生死の選択は、基本的に当事者本人がおこなうものである。
 ③生死の選択に関する状況、情報は、可能な限り公開し明碓にすることを義務づける。

第25条(参政権)
 ①国民は、未来へ続く国家を形成する一員として、その政治的選択をおこなう権利を持
  ち、またその参加は義務となり、これを拒否、放棄してはならない。
 ②国民個人の政治選択は、絶対秘密とされ,それを探ってはならない。また政治的意志
  を、個人の責任として問わない。
 ③国民は、国、又は公共機関に公務を要請された場合、特別な理由なしにこれを断って
  はならない。
 ④あらゆる組織、権力は、国民個人の参政権に対し、圧力、強制をかけてはならない。

第26条(選挙の原則)
 ①20歳以上の成人で、その資格のあるものは、すべて選挙に参加し投票しなければならない。
  90パーセント以下の投票率の選挙はやり直さなければならない。
 ②選挙は秘密投票とし、いかなる権力、機関、団体等もその公表を強制できない。
 ③選挙は個人の良心を持って選択されるべきであり、いかなる権力、団体、機関もその
  選択を強要してはならない。
 ④得票率が40パーセント以下の候補者は当選できない。
 ⑤選挙区は、行政地域によって選定され、人口の多寡によって分割してはならない。
 ⑥選挙の投票は、投票日以前に半年以上居住していた地域、もしくは3ヶ月前に在住し
  ていた地域で行う。
 ⑦その他詳細は別法により定められる。

第27条(地域共同体への行政義務)
 ①国民は、その所属する地域共同体から指名された、行政義務を放棄してはならない。
 ②あらゆる集団、組織は、国民の行政義務、地域共同体への奉仕を、特別な理由なく制
  限してはならない。
 ③行政義務の詳細に関しては別法によって定められる。

第28条(納税の義務)
 ①国民は、公共の福祉等、国民が選択した国家の政策を推進、持続させるため、財産、
  収入、購買等から、納税する義務を持つ。
 ②国家は、国民の納税に対し責任を持って対処し、その会計を明快にする義務を持つ。
 ③理由なき義務の不履行に関しては、国及び公共の機関は厳正なる態度をもって臨む。

第29条(教育の義務)
 ①教育は、あらゆる国民に対して機会を与え、また未来を発展させるための人間形成の基
  礎であり、国民は、国が定めた基礎教育を受ける義務をはたさねばならない。
 ②教育に対する権利は平等であると同時に、個人の能力を尊重し、その成長に準じた教
  育をおこなう必要を求められる。
 ③学校は学問を中心とした教育の場であり、人間教育は家族内における保護者によってな
  され、その責任を共有し、これを放棄してはならない。
 ④学校などの教育機関に対して、最も要求するのは公正さ、公開性であり、その努力が認
  められない場合、教育機関としての資格を取り消すことが出来る。

第30条(勤労の権利)
 ①すべての国民は勤労の権利を持ち、職業選択の自由を持つ。
 ②勤労の権利、職業選択の自由への機会を、個人の履歴、環境等によって差別し、挑戦
  する権利を奪ってはならない。
 ③国家は、国民の勤労の機会を維持する為に努力することを義務付けられる。
 ④賃金、労働時間、労働条件等は、法で定めた規定を遵守しなければならない。
 ⑤勤労者が団結し雇用者と交渉することは、法を逸脱する行為がない限り、これを保障
  される。
 ⑥雇用者は、勤労者が法を遵守し、正当な権利を述べる場合、たとえそれが雇用者に対
  して不利益な行為であっても、差別的な待遇及び圧力をかけてはならない。

第31条(財産権)
 ①私有財産の保持、相続は、その公正さが認められる限り、これを保障する。
 ②不法行為等によって得られた財産は、すべて国家に帰属し、被害者等に分配される。
 ③緊急時における私有財産の公共による収容は、これを十分に保障する。

第32条(環境権)
 ①日本領土内における全ての自然、環境は、全ての国民に影響をあたるため、その使用者
  は、これを考慮し、その配慮が義務となる。
 ②新たな環境の開発は、その所有者の独断によってではなく、その周辺の住民、また行
  政、自治体の理解を得なければならない
 ③敷地内において環境破壊が起こり、それが問題化した場合、その責任はその所有者、及
  び利用者に課せられる。

第33条(個人行動の責任の所在)
 ①国民個人の行動は、法にのっとった者であれば、それを保証される。
 ②国家、自治体、所有者が、警告、注意を喚起した物事に対しては、それ以上の強制を課
  す必要はなく、それを無視して自発的に行動をおこなった者に対して、国家、自治体、
  所有者はその責任を問われない。
 ③国家や自治体が法として禁止した物事、また所有者が法に乗っ取って禁止した物事に対
  して国民が自発的に行動した場合、国、自治体、所有者はその責任を取らなくてもよ
  く、また罰則を課す事が出来る。

第34条(情報の秘密)
 ①個人情報および通信の秘密はこれを保障する。
 ②利益,娯楽のために本人の同意無く、また悪意ある行為、流言などで個人情報を利
  用、公開してはならない。
 ③犯罪の捜査、医療行為など、公共の利益となり、また公認された組織、機関による、
  個人情報の取得を妨げてはならない。但し、その情報を公開することは、十分な注意
  を払うことを義務とし、その責任は全て公開者が負う。

第35条(権利機関の設置)
 ①国家は、国民個人の権利を保護、審査する機関を、司法機関とは別に設置しなければ
  ならない。
 ②権利機関は、権利のバランスに十分配慮し、中立的な立場で審査に臨まなければなら
  ない。
 ③権利機関は、いかなる圧力にも屈せず、また不正、不法行為を許してはならない。
 ④権利機関の審査者は、該当地域以外の住民から無作為に選出、構成される。

第36条(裁判を受ける権利)
  国民は、裁判所に於いて裁判を受ける権利を保障される。

第37条(法定手続きの保障)
  国民は、法律の定める手続きによらなければ、その生命又は自由を奪うことは出来ず、 
 刑罰等を科することは出来ない。

第38条(逮捕の要件)
 ①国民を逮捕する権限は司法官憲が持つ。 
 ②現行犯として逮捕される以外では、理由を明記した令状を保有しなければ逮捕できな
  い。

第39条(自由権の制限)
 ①国民は、法に従った、明確な理由を記してある令状によって、一時的に自由権を制限
  される。
 ②理由を明示された令状の所持、及び緊急の保護、拘束の場合、何人もその指示に従わ
  なければならない。
 ③理由を明示された令状を所持しているものの捜査に対し、妨害、隠蔽をおこなっては
  ならない。
 ④司法官憲による捜査時には、捜査の対象となるすべての書類、物品を押収できる。
 ⑤国民の自由権の制限期間中は、該当者の言動、行動等はすべて記録され、裁判官の許可
  をもって公開される。
 ⑥誤って国民の自由権の制限をおこなった場合、その国民に対し十分な保障をおこなわ
  なければならない。
 
第40条(拷問、残虐刑の禁止)
  すべての人間は、あらゆる拷問及び残虐刑をおこなってはならない。

第41条(刑事被告人の諸権利)
 ①すべて刑事事件においては、被告人は、公平で迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
 ②刑事被告人は、いかなる場合でも、資格を持つ法律士を依頼することができる。被告
  人が自ら依頼することができないときは、国で補助することができる。また、法律士
  に依頼することを拒否することも出来る。
 ③刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を与えられ、また公費によって被
  告人のために強制的手続きにより証人を求める権利を有する。

第42条(不利益供述の不強要、自白の証拠能力)
 ①何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
 ②強制、拷問、強迫又は不当に超機関拘束された場合による自白は証拠とすることは出
  来ない。
 ③何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とすることが
  できない。

第43条(刑事罰の公平性)
 ①すべての刑事被告人は、原則としてその行為を持って裁かれ、犯行時の状況、責任能力
  等だけで無罪にすることは出来ない。
 ②すべての犯罪に対し、時効による訴求中止をしてはならない。
 ③明確に立法化されていない事案でも、その行為が憲法にある国民の権利を侵し、またそ
  の道義性に疑問があれば、裁判所の判断によって刑事事件として取り扱われ、その事案
  に対しては、裁判官の判断によって求刑される。

第44条(刑事事件の補償追求)
  刑事事件において、受刑者から利益の供与を受けていた人間は、裁判所の審査を受け、
 その利益を被害者等に返還しなければならない。

第45条(訴求処罰の禁止)
 ①何人も、実行の時に適法であった行為に対しては刑事上の責任を問われない。
 ②最終審において確定した無罪に対し、刑事上の責任を問うことは出来ない。

第46条(刑事補償)
  自由権が奪われ被告人となった後、無罪の判決を受けた時、国はその人間に対し十分
 な保障をしなければならない。



       第3章  天皇

第47条(天皇の地位)
 ①天皇は日本国の歴史、伝統、文化の象徴的存在であり、憲法によって保障される。
 ②天皇は代表的日本人であり、その政治性は絶対的中立を保ち、関与してはならない。
 ③天皇は、伝統的な祭祀を保護、継続し、また国内の神社すべてを統括する。

第48条(皇位の世襲と継承)
 ①皇位の世襲、継承は皇室会議によって選定され、国会の承認によって遂行される。
 ②天皇の心身が国事行為等の責務に耐えられない場合、皇室会議を経て議会の承認を得
  れば、摂政への一時的な譲位、又は退位をすることができる。
 ③皇位の世襲は、伝統的な男系によるものとする。

第49条(天皇の国事行為)
 天皇は、国会の助言、承認を下に、以下の国事行為をおこなう。
  一、国会の開会式等、国政儀式への参加
  二、行政官吏の任免、大使の信任状を授与すること
  三、栄典を授与すること
  四、外国の大使および公使,国家の賓客を接受すること
  五、国民、また各外国の国民への日本の歴史、文化、伝統の啓蒙活動
  六、各外国の儀式への参加

第50条(天皇の祭祀行為)
 ①天皇は、日本国の豊穣と安寧に対し、祈りを捧げる。
 ②天皇は、伝統的な秘儀、祭祀を継続していかなければならない。
 ③天皇は国内の神社を統括し、各地の伝統祭祀、またそれを基にした文化、史跡、史料
  を保護しなければならない。
 ④天皇の祭祀行為は、皇室会議と議会より選出された助言者によって選定され、宮内庁
  が責任を持って執り行う。

第51条(皇室会議)
 ①皇室会議は天皇もしくは摂政が招集し、議長として運営する。
 ②皇室会議は、法で定められた皇族、また国会、行政府、司法の代表、そして各分野より
  選出された助言者が参加する。
 ③皇室会議での決定事項は、個人の情報を侵害しない限り告知される。

第52条(皇室の歳費、財産)
 ①天皇の国事行為、また日常生活の歳費は、すべて国税によってまかなわれる。
 ②天皇の行う伝統的な祭祀は、すべて神社等から得られる寄付金によってまかなわれる。
 ③皇室会議で選定された文化事業等は、すべて寄付金等でまかなわれる。
 ④天皇、皇族による利殖行為、又は特定の集団への利益となる投資行為は禁じられる。
 ⑤天皇、皇族による財産の出納は、すべて国会に報告され公開される。

第53条(皇室典範)
 ①皇室典範は、天皇、皇族の法規である。
 ②皇室典範は、議会の承認を受け、制定、改正、廃棄される。
 ③天皇、皇族に対する権利、裁判等は皇室典範を基におこなわれる。

   第4章   議会 立法権

第54条(議会の地位)
  議会は、国民の意思を反映させた国権の最高機関であり、国法を制定する唯一の機関
 である。
 
第55条(議会の構成)
 ①議会は、全国の各地域から直接選挙によって選出された議員によって、構成される。
 ②議会は一院からなり、議会総会と、行政府と対応した各小委員会、国家予算を検討す
  る予算委員会などによって構成される二審制となる。
 ③各委員会での採決結果は、議会総会によって再討議され、総会での決定が最終のもの
  となる。

第56条(議員の独立性)
 ①議員は国民から直接選出された代表者であり、議会における言動、行動、選択に対して
  議員としての自覚を持っておこなわなければならない。
 ②議員の政治的選択、行動は、いかなる権力、党派、団体、機関に拘束されてはならず、
  一部の利益のためではなく、国家全体の将来を考え、議員個人の持つ良心を持っておこ
  なわれる。

第57条(議員の任期)
 ①議員の任期は5年とする。
 ②任期中の議員が精神的、身体的に公務に耐えられないと判断された場合、議員本人に
  よる自発的な申し出による離職、もしくは選挙区からの要請によって討議され、解職
  することができる。
 ③議員が不法行為の疑いを抱かれた場合、また現行犯逮捕された場合、即時に議員資格
  を停止され、行政裁判所の審査を受ける。審査の結果により、議員資格の復活、もし
  くは解職の手続きがとられる。
 ④何らかの理由で、議会において3分の2以上の賛同を得た場合、該当の議員は解職さ
  れる。

第58条(再選挙)
  何らかの理由で議員が離職、解職したとき、その日から30日以内に再選挙がおこな
 われる。

第59条(議員の資格)
 ①議員は、選挙区に一年以上在住する住人が、一定数の推薦を受け立候補できる。
  1. ②国政議員の被選挙権は30歳以上から与えられる。
  2. ③3期連続で職務に就いた議員は,次の選挙で立候補,推薦される資格はない。
 ④日本国籍を有するものであり、選挙区居住者であれば、選挙資格を差別してはならな
  い。但し、受護者と制限者は別である。
 ⑤立候補者は、各選挙区の代表者であることを自覚し、いかなる虚偽、不正等を許さな
  い。もし該当した場合、直ちにその資格を停止される。

第60条(選挙の審査)
 ①選挙の審査は、各地の行政裁判所と選挙管理委員会の双方がこれを担当する。
 ②投票は即日開票とし,当落情報はすべての開票終了後、開示する。みだりに当落の流
  説を報じてはいけない。
 ③選挙の審査に意義がある場合は、議会に直接訴えることが出来る。

第61条(選挙管理委員会)
  選挙管理委員会は、国民の行政義務の1つとして、行政裁判所が選挙区より候補者と家
 族、親族関係にないものを無作為に抽出し、選定する。

第62条(議会の会期)
 ①議会の常会は、毎年2期に分け、首都において開催される。
 ②常会の会期外であっても、議員の4分の1の要請があれば、臨時に議会を招集するこ
  とができる。
 ③内閣の要請があれば、議会の非常召集が出来る。特に安全保障や大規模災害などの緊急
  時には六時間以内に行われ、3分の2以上の出席があれば、開催される。
 ④毎年指定された期間、議会の常会は、定められた地方都市において開催される。

第63条(議会の解散と選挙後の招集)
 ①議会は、議員の任期が切れたとき解散される。
 ②議会解散から40日以内に選挙をおこない、また選挙開票後30日以内に議会を招集
  しなければならない。
 ③選挙時に内閣により議会の非常召集がおこなわれた場合、前期の議員によって開催さ
  れる。また非常招集によってとられた採択は臨時のものであり、選挙後の議会の開会
  10日以内に新たに裁決をとる。

第64条(議員の諸権利及び規制)
 ①議員の歳費は、法律で定められた額を国庫から支給する。
 ②議員が使用する交通費、文書通信費は国庫から支給される。
 ③議員が採用する秘書2名までの歳費は、国庫から支給される。交通費、文書通信費も
  同様である。
 ④議員は立法、又は国民の請願に対する調査を、行政裁判所の同意を受けて行うことが
  出来る。この調査は国民の代理で行うものであり、公務員と同等の権利を持つ。
 ⑤議員は、個人よりより無制限に政治資金の寄付を受けることができる。政治資金は公
  人としての立場でのみ使用することが出来、政治資金を使用し貸与、利益供与をおこ
  なってはならず、またそれを使用して他議員、公務員への圧力をおこなってはならな
  い。また、政治資金の利用は細大漏らさず会計局に報告し、監査を受け公表される。
 ⑥議員は、いかなる団体からも直接的、間接的に金銭、物品の授受をおこなってはなら
  ない。また公人として、その尊称を使い、特定の団体のためだけに奉仕してはならな
  い。
 ⑦議員同士の金銭、物品のやり取り、また公務員からの献金は認められない。これは議
  員、公務員の親族にも適応される。
 ⑧議員が持てる支援団体は、一人につき一団体とする。また、その資金は議員が政治資
  金の中から出費し、支援団体に対する寄付行為等は禁止する。
 ⑨議員本人、また親族に対して、個人的な欲求による働きかけ、口利きは禁止する。また
  法で定められた範囲以外での、金銭、物品の授受は禁止する。ただし、私人として、冠
  婚葬祭などにおいての常識的な贈答は、これを認める。

第65条(議長、役員の選任)
 ①議会における、議長、役員は、選挙後はじめの常会開催時に、議員の3分の2の同意
  をもって、選出される。
 ②議長、役員は、国会に置ける議事進行を円滑にし、議員は議事進行に対し議長、役員
  の意志を尊重しなければならない。

第66条(小委員会)
 ①議会の常会は、各小委員会に分化され進行される。各小委員会の討議終了後、常会の
  総会が開かれる。 
 ②国家的な問題が発生し行政府より依頼がある場合、また議員の4分の1の請願がある
  場合、特別委員会を開催できる。
 ③小委員会の目的は、各省庁に対応した立法案作成と審査、各省庁の行政監査、国民か
  らの請願に対する対応である。
 ④小委員会の構成議員は、常会開催時に無作為に選別される。
 ⑤特別委員会は、各小委員会から無作為で選出された人数を持って構成される。

第67条(定足数、評決数)
 ①議会内のあらゆる議事は、出席者の3分の2以上の出席がなければ開けない。
 ②議事は、この憲法に特別に記載されていなければ、出席者の5分の3以上を持って可
  決とする。
 ③議会の審議を、理由なく休んではならない。
 ④大規模災害等で規定人数に達しない時は、議長の判断によって行われる。

第68条(参考人の招致)
 ①総会、小委員会は、必要に応じて参考人を招致できる。
 ②参考人の招致は、総会、各委員会ともに出席議員の半数の同意が必要である。
 ③参考人は議場において、虚偽の証言、責任無き発言をおこなってはならない。これらの
  行為に対しては、行政裁判所によって審査され、応分の罰を下される。

第69条(立法)
 ①議会の小委員会において賛意を得た法案は、総会において審議される。
 ②法案には、その法解釈の根拠として、必ず法制定の趣旨と、憲法との整合性を記さなけ
  ればならない。
 ③総会において賛意を得た法案は、施行される。
 ④立法案には必ず施行日時を記載しなければならない。法は公布3年以上から、再検討
  を許され、どんなに持続しても、50年後には、必ず再検討されることとする。
 ⑤法の施行3年以内は、半数の議員の同意がない限り、再検討されない。

第70条(行政監査)
 ①議会は、各行政省庁、また公益団体の監査を行う。
 ②行政監査は、法の施行、予算、人事を中心におこなわれ、各行政省庁、公益団体は虚
  偽、隠蔽等をおこなってはならない。
 ③行政監査の結果は、総会にて報告され公開される。

第71条(請願)
 ①議会は、国民の請願に対し真摯に答えなければならない。
 ②国政への請願は、議会直属の審査局を通し、重複等を選別してから、各委員会におい
  て検討される。
 ③議会は、請願に対し調査する権限を有する。この調査への協力は国民の義務であり、
  虚偽、記録の破棄等調査を妨げる行為は許されない。また調査に関する記録は、議会
  の同意を得て公開される。

第72条(集団被害の代理)
  請願があれば、被害者が特定できない事件の被害者代理を議会が行うことが出来る。

第73条(国民投票による裁決)
 ①十万人以上の国民から同一の請願、署名があった案件に関しては、国民投票を実施
  しなければならない。
 ②国民投票の裁決結果を、議会によって覆してはならず、立法化しなければならない。

第74条(議会の人事権)
 ①皇室会議で選定された、皇位の継承及び皇室人事を審査承認すること。
 ②首相が指名した国務大臣を審査、承認すること。
 ③裁判官の人事を審査、承認すること。
 ④国防軍の人事を審査承認すること。
 ⑤各人事の弾劾、及び罷免を審査承認すること。

第75条(情報の公開と機密)
 ①議会におけるすべての発言は記載され、原則公開される。
 ②議場内の撮影、録音は、原則公開される。
 ③安全保障上の問題等は、議員の半数の同意をもって秘密にすることができる。
 ④議会内における議員の発言は、非道儀的な発言をのぞけば責任を問われない。

第76条(遅延行為の禁止)
 ①議会の質疑、投票などにおいて遅延行為をすることは許されない。
 ②一言をとらえ議題本来の討議からそれる討論は遅延行為とみなされる。
 ③議員個人に対する疑惑等は、行政裁判所にて取り扱うものであり、議題にはされな
  い。
 ④野次、その他討議に不必要な言動は遅延行為ととらえる。
 ⑤遅延行為に対し、議長は法に則った処置をとることが出来る。

第77条(審査局)
 ①議会は、国民の請願を審査するため、審査局を設置する。
 ②審査局は、請願の内容を分け、各委員会に報告する。
 ③国民の請願内容は、議会の許可なく公開してはならず、審査局において改変等を行っ
  てはならない。

第78条(人事局)
 ①内閣から提出された公務員人事案、司法院より提出された司法官の人事案、国防軍よ
  り提出された防衛官の人事案等は、議会の承認を受けてから、人事局にて施行され
  る。
 ②人事局は、公務員等の労働環境を調査し、国民の労働環境と著しく不公平にならない
  様に、時宜に適したものを議会に提案する。
 ③公務員等の待遇改善等の労働条件に対する請願は、人事局から議会に提出される。そ
  の際に、人事局の見解を明らかにする。
 ④人事局の局長は、議会が指名する。公務員及び議員など公共の職に就いてるものの、
  兼職は認められない。
 ⑤その他の要件は、別法にて制定されるものとする。

   第5章  内閣 公務員 行政権

第79条(行政権と内閣)
  行政権は、内閣に属する。

第80条(内閣の構成)
 ①内閣は、国民より選出された首相と、首相の指名した国務大臣によって構成される。
 ②首相、および国務大臣は、文民でなければならず、また他のすべての職種と兼任でき
  ない。

第81条(内閣の任期)
  内閣の任期は3年となる。

第82条(首相の資格)
 ①首相は国民によって、直接選挙で選ばれる。
 ②首相は一回の予備選挙を経て、二人の候補にしぼられ、決選投票によって選出される。
 ③首相は30歳以上の日本国籍を有したものであり、百名以上の推薦人を確保すれば立
  候補できる。
 ④首相は、いかなる団体、機関にも所属してはならず、一部の利益の為に奉仕してはな
  らない。
 
第83条(国務大臣の資格)
 ①国務大臣は、首相に指名され、国会の監査を受け就任する。
 ②国務大臣は、30歳以上の日本国籍を有したものが選出される。
 ③国務大臣は、いかなる団体、機関にも所属してはならず、一部の利益の為に奉仕して 
  はならない。

第84条(首相、大臣の離職、解職)
 ①首相、大臣に、精神的、身体的に国務に耐えられないと判断された場合、議会で3分
  の2以上の同意があれば離職できる。
 ②議会の行政監査により不適格との決議を受けた場合、即時に解職される。
 ③解職請願が、議会の投票で3分の2同意を得た場合、解職される。
 ④首相の離職と同時に、内閣は解散する。
 ⑤首相の離職後30日以内に選挙をおこない、新しい首相を選出しなければならない。
 ⑥大臣の離職後10日以内に、新たな大臣を首相は指名しなければならない。

第85条(首相、大臣の代理)
 ①何らかの理由で首相が休職する場合は、議会の同意が必要である。また、大臣の休職
  は、首相の認可が必要となる。
 ②休職の期間は、30日までとし,それ以降は状況による判断とする。
 ③休職中の首相代理は、国務大臣より首相が指名することにする。
 ④休職中の大臣代理は、担当省庁より首相が任命する。
 ⑤首相および大臣が不在の場合は、あらかじめ指名してある副官が代理を務める。緊急
  時に不在、もしくは欠けたときの代理順は別法で定める。

第86条(首相の職権)
 ①国務大臣を選定し、議会の信任を得ること。
 ②内閣を代表して議案を国会に提出し、説明すること。
 ③国務および外交関係について、議会に報告し監査を受けること。
 ④行政省庁および大臣の指揮、監督。
 ⑤国防軍の最高指揮権。
 ⑥緊急の安全保障問題発生、または大規模災害時に、議会の承認を得ずして人事、会計な
  どの特別措置をとる事ができる。ただし、一週間を過ぎた後、議会の承認を改めて受け
  る事。

第87条(国務大臣の職権)
 ①担当省庁の人事を選定し、首相に報告すること。
 ②担当省庁の指揮、監督、また首相への報告
 ③担当省庁において議案を作成し、内閣に提出すること。

第88条(内閣の職権)
 ①一般行政事務、および法律の施行。
 ②外交関係の処理、条約の交渉、条約案の国会への提出。
 ③予算を作成し、国会へ提出すること。
 ④公務員人事の策定、国会への提出。
 ⑤安全保障上の問題、緊急災害時の議会の非常招集の要請。
 ⑥国防軍の構成、人事、補給等の策定。
 ⑦憲法およびその他の法律に抵触しない範囲で、政令を制定する。
 ⑧法律に則った刑の減軽、執行の停止、復権の決定。
 ⑨栄典等の候補者の策定、議会への報告。

第89条(政令)
 ①政令は、内閣によって制定される、時限的な拘束力を持った命令である。
 ②行政を滞りなく進行させる為、及び国民の生活を緊急に保護しなければならないと
  き、内閣によって政令を公布できる。
 ③政令は公布された次の会期の議会によって審議される。このとき、議会によって否決さ 
  れた場合、その政令を取り消さなければならない。

第90条(公務員の職権、身分保障)
 ①公務員は行政組織や一部の奉仕者ではなく、国民と行政の間を円滑にする調停者でな
  ければならない。
 ②公務員は給与の他に、交通費、通信費を支給され、また住居を保障される。
 ③公務員は、その公共性を盾にして強圧的になってはならず、常に、行政と国民の間
  の問題を解決するよう努力しなければならない。
 ④すべての公務員は、職務中に不法行為等を発見した場合、司法官憲に逮捕されるまで
  の間、当事者を拘束することができる。
 ⑤公共の調査の為に2人以上の同道であれば、立ち会い調査の権限がある。また調査予
  定は厳正な秘密とされ、予告してはならない。
 ⑥公務員の労働環境及び給与等は人事局を通じ議会の承認を持って決定される。また、
  公務員の生活環境も、国によって保障される。

第91条(公務員の制限)
 ①公務員は全体の奉仕者として、国民の規範とならなければならない。
 ②公務員の団体労働運動はこれを禁止する。労働に関する請願は人事局によって審査さ
  れ、改善、報告される。
 ③公務員、及び特定の親族は、法で定めた定額以上の金銭、物品の授受をおこなっては
  ならない。また、特定の団体、企業等の接受を受けてはならない。
 ④役職のつく公務員は、すべて会計監査を受けねばならない。また、公務員の投資活動
  は親族にわたって審査を受ける。
 
第92条(公務員の資格)
 ①18歳以上であり、日本国籍を有するものであれば、公務員の資格を有する。その資
  格には何の差別も許されない。
 ②公務員の採用は、すべて人事局がおこなう採用試験によるものとする。
 ③公務員の職にありながら、不法行為及び非道儀的な行為をおこなったものは、行政裁
  判所等で査問を受け、資格の存否を問われる。
 ④国民より公務員の解職請願を受けた場合は、人事局によって審査され、議会に報告さ
  れたのち、採決される。
 ⑤その他の人事規定は別法によって定める。

第93条(準公務員の規定)
 ①国家資格を持ち、なおかつ国、公共機関から委託された業務をおこなうものは、準公
  務員と規定される。
 ②その他準公務員に対する規定は、別法で定める。

第94条(公益団体)
 ①公益団体は、公共の理念に沿って設立される団体であり、過剰な利益追求、および一部
  のみの利益になるような行為は認められない。
 ②公益団体の維持は、原則的に団体の会員からの運営費用によってまかなわれ、それ以
  上の費用は立法議会への請願によって審査され、まかなわれる。
 ③公益団体は、不適当な公益サービス、及び団体に所属する職員のサービスの為の出費を
  禁じる。
 ④公益団体の監査は、議会によって行われる。
 ⑤公益団体には、活動実体のない役員、職員の存在は許されない。また公益団体の役
  員、職員の兼任は規制される。
 ⑥公益団体職員は、全て準公務員として身分を保証される。

   第6章  裁判所 司法権  

第95条(司法権)
 ①すべて司法権は、最高裁判所と、その下に設置される各下級裁判所、行政裁判所、司
  法官会議に属する。
 ②特別裁判所はこれを設置することは出来ない。また行政機関、及び自衛軍が独自で裁
  判を行うことは出来ない。

第96条(司法機関、裁判官の独立)
 ①すべての司法機関は、法及び道義的な良心に忠実となって職務を遂行し、その権限の
  独立はこれを保障される。
 ②いかなる権限を持った国民、集団、組織であっても司法権に対し、法で認められる範
  囲以外の運動及び圧力をかけてはいけない。
 ③裁判官は、その身分に伴う公平性を確保するため、いかなる組織にも属してはならず、
  法で認められた範囲以外での利益も受けてはならない。

第97条(最高裁判所の規則制定権)
 ①最高裁判所は、訴訟に関する手続き、法律士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に
  関する事項について、司法官会議で検討された内容を、規則として定める権限を持つ。
 ②検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
 ③最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任すること
  ができる。

第98条(違憲審査制)
  最高裁判所は、一切の法律、命令、規則、処分が憲法適合するかどうか決定する権限
 を持つ終審裁判所である。

第99条(最高裁判所の法規解釈権)
 ①最高裁判所は、すべての法規に対して、法規公布時に公式の解釈を開示する。
 ②法解釈は、議会、行政官庁の意見陳述、司法官会議の提言を基に行われる。
 ③国会は最高裁判所の法規解釈に対し、議員の賛意を得れば異義を唱えることが出来
  る。

第100条(裁判官の資格)
 ①裁判官は、30歳以上の日本国籍を有するものが、資格試験の結果によりその権利を
  取得できる。
 ②裁判官は人格、公平性を保つため、永続的な資格ではなく、10年ごとに資格審査を
  受けなければならない。
 ③裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務をとることが出来ないと決定された
  場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。また裁判官の懲戒処分は、
  行政裁判所による検討を経て、国会において決定される。

第101条(最高裁判所長官、裁判官)
 ①最高裁判所の裁判官は、司法官会議によって推薦された候補者より議会によって選定
  される。
 ②最高裁判所の長官は、最高裁判所の裁判官の中から国民の投票によって選ばれる。
 ③最高裁判所の長官、及び裁判官の任期は5年とする。裁判官は、国政議員の任期が切
  れる前の議会で選定される。そして最高裁判所の長官は、国政議員選挙と同様の日程で
  選挙がおこなわれる。
 ④最高裁判所の裁判官の報酬、定年等は別法にて定める。

第102条(下級裁判所の裁判官)
 ①下級裁判所の裁判官は、司法官会議に推薦によって、議会で選定される。
 ②裁判官の任期は5年とする。
 ③その他裁判官の報酬、定年等は別法にて定める。

第103条(裁判所の構成)
 ①すべての裁判所は、最高裁判所の下、設置される。
 ②一般の法律に対する審査は、地方裁判所によって審査され、また再審査として、高等
  裁判所が設置される。
 ③地方裁判所内に、簡易裁判所、家庭裁判所が設置される。
 ④行政権の審査、議員、公務員など公務に携わる者の、軽犯罪以上の裁判、また国民の
  義務への不参加理由などの審査は、行政裁判所によって行われる。その再審査は高等行
  政裁判所において、再終審は最高裁判所となる

第104条(司法官会議)
 ①司法官会議は、最高裁判所の補助機関として設置される。
 ②司法官会議は、すべての裁判官、検察官、法律士から選定されたものによって構成さ
  れる。
 ③司法官会議は毎年2回開かれる。
 ④その他の要件は、別法によって制定される。

第105条(司法官会議の職権)
 ①裁判官等の人事の推薦。
 ②法範囲解釈及び、法の改廃に対する議会への提言。
 ③裁判官、検察官、法律士の規則、規定の改廃を最高裁判所に提言
 ④裁判官、検察官、法律士の労働環境に対する提言。
 ⑤義務教育における、法社会教育の内容等の提言

第106条(裁判の公開)
 ①裁判の審査及び判決は、公開法廷でおこなわれる。 
 ②国の安全保障上の問題、また犯罪被害者への配慮等の理由で、裁判の全または一部の
  非公開が要請されたとき、裁判官の全員一致によってのみ、その条件をかなえられる。
 ③政治犯罪、国民の権利が問題となる事件に関しては、常に公開しなければならない。

第107条(裁判の迅速化)
 ①裁判官は、裁判の迅速化を促すため、その資料の提出、審査の日時などを指定するこ
  とができる。
 ②意図的な裁判の遅延、妨害は処罰することができる。
 ③裁判における、承認、参考人は、裁判所の指定した日時を優先的に従う必要がある。
 
第108条(法律士の職権、制限)
 ①法律士は担当する案件において、公務員と同等の調査権を持つ。
 ②法律士は良心に基づき法に相対せねばならず、法の及ぼす範囲を理解し、利益のため
  に曲解してはならない。
 ③法律士は、依頼人の代理として裁判に参加し、検察に対し助言できる。
 ④その他詳細は別法にて定める。

  第7章  安全保障

第109条(国防軍の設置)
  日本の安全保障、世界の平和維持、大規模、広域災害の鎮圧、救助のために国防軍を設
  置する。

第110条(侵略の禁止)
 ①国防軍は安全保障の観念のもと設置され、いかなる侵略行為にも協力してはならない。
 ②軍の力によって、他国の領土の割譲、及び租借を行ってはならない。
 ③他国の侵略活動に対し、国家、国防軍はいかなる協力をしてはならない。

第111条(災害救助活動)
 ①国防軍は、各地で起こる広域事故、災害に対し、内閣の判断によって救助活動を行う。
 ②広域事故、災害発生時には、該当地の国防軍は出動し、各地域公共団体の首長の指揮
  を仰ぐ。
 ③地域の災害訓練活動に参加し、防災等の啓蒙を行う。

第112条(国際活動)
 ①国防軍の海外派遣は、国際機関の承認、要請によって行われる。
 ②国際的な侵略及び破壊活動の阻止、及び治安維持のために国防軍を派遣する時は、議
  会による承認が必要となる。
 ③大規模な災害が起きた場合の救助活動で緊急派遣を行う時は、内閣の承認のみで行え
  る。その後議会に対し報告を行う。

第113条(大量破壊兵器、化学、生物兵器の製造、保有禁止)
 ①国防軍は安全保障のために存在し、無差別に人命を奪い、また国土を破壊する核兵器等
  の大量破壊兵器、化学、生物兵器の製造、保有を禁止する。
 ②大量破壊兵器等の指定は、議会によって行われる。
 ③国防軍は、国民に対し大量破壊兵器、生物、化学兵器に対する危険を啓蒙し、その防
  衛に心がけなければならない。

第114条(交戦権)
 ①交戦権に関する判断は、すべて内閣が行い、議会の承認を受けなければならない。
 ②交戦に関する記録は、すべて内閣に提出しなければならない。
 ③緊急交戦のある可能性の時は、内閣にその判断は委ねられる

第115条(文民統制)
 ①国防軍の最高意思決定者は、首相となる。
 ②国防軍の使用に関しては、国会の同意が必要となる。
 ③緊急時の安全保障及び災害救助に関しては、内閣の同意が必要となる。
 ④軍政を行ってはならない。
 ⑤国防軍内における犯罪等の裁判は、行政裁判所にて行われる。
 ⑥軍の構成、人事、補給等はすべて内閣で策定され、国会の承認を必要とする。

第116条(軍人の制限)
 ①軍人には参政権は与えられない。
 ②軍人の職務上の行動はすべて記録される。
 ③軍人は政治的に中立であり、いかなる政治組織にも属してはならない。
 ④軍人は金銭、物品の授受を行ってはならない。また、会計局の監査を受けなければな
  らない。
 ⑤その他、国会で決定された法令に従わなければならない。

第117条(国民による国防、救助義務)
 ①国家の安全保障は、その専従的な力を極力抑えるために、国民自身の力によっておこな
  われ、この協力を義務とする。
 ②全ての国民は18歳より25歳までの間に一回、また40歳より50歳までの間に一
  回、期間を半年として国防軍の訓練に参加することを義務づける。その間の給与等は国
  家が一律で支給する。
 ③国防、救助の訓練義務は、該当する年齢次に抽選によって選出される。その義務の拒
  否、また延期に関しては、行政裁判所の審査を受ける。
 ④訓練時は国防軍の指揮下にはいり、その配属は議会の決定に従う。
 ⑤訓練終了後も、2年間の間は国防軍の軍属として所属する事が出来る。その間の給与は
  国家が支払う。
 ⑥安全保障の緊急時、または大規模災害の発生時において、議会より非常呼集を受けた場
  合、それに応じなければならない。

第118条(日本国内における武器、凶器の携帯禁止)
 ①日本国民、及び日本国内に滞在する外国人は、許可なく武器、凶器を携帯、販売、使用
  してはならない。
 ②武器、凶器については別法で詳細を定め、新たな追加は議会によって為される。
 ③武器、凶器を保有するものは、必ず届けを出し、審査をされなければならない。また定
  期的に監査を受けなければならない。

第119条(国土の利用)
 ①軍の要請があり、議会の承認があれば基地を建設できる。その場合、周辺の住民に対
  し、十分な説明と保障が必要となる。
 ②国防軍による公共施設の使用等に対しては、事前に通告しなければならない。
 ③夜間、早朝等の演習に対しては、周辺の住民に十分配慮した計画を立てなければなら
  ない。
 ④緊急時に国土を収容しなければならないときは、内閣の許可が必要であり、事後に十
  分な保障を行わなければならない。

第120条(情報の公開)
 ①国防軍に関する情報は、安全保障上の問題の為、すべて内閣を通して公開される。
 ②安全保障上の情報に関して議会が公開を要求した場合、内閣はこれを否認してはなら
  ない。ただし議会は情報を許可なく外部に公開してはならない。
 ③国民から安全保障上の情報請求があった場合、議会でこれを審査し答える義務を持つ。

第121条(軍の緊急判断権)
 以下の場合、軍の出動、行動判断は現場の裁量に任せられる。但し、事後の行動は全て記
 録されなければならない。
 ①日本国領界内において、武器を保有した人間、建築物、乗り物などが確認され、
  相手方より発砲された時。又、武器が強力である故に牽制の必要を感じた場合。
 ②日本国領界内において、国民が武器による攻撃を受け、助けを求めてきた時
 ③日本国領内界において、武器によって攻撃され、その攻撃が原因で通信手段がとれず、
  引き続き攻撃を受ける時。
 ④緊急災害時に、通信手段がとれず、尚かつ救助活動を行わなければならないと判断し
  た時。
 ⑤緊急災害時に、国民が助けを求めた時。
 ⑥国際協力派遣時に、担当地域で上記のような条件が起きた場合。
 緊急判断権の事後の検証は行政裁判所が行い、その後国会にて報告される。

第122条(非戦闘員の保護、捕虜の尊重、文化遺産等の保護)
 ①交戦において非戦闘員と判断されたものは、これを保護しなければならない。
 ②戦闘地域での略奪、及び非戦闘員に対しての暴行、脅迫は認められない。
 ③降伏し、武器の形態が認められない兵士は、捕虜として保護しなければならない。
 ④捕虜に対しての暴行、脅迫及び過酷な労働は認められない。
 ⑤戦闘地域における文化遺産等の保護には十分配慮しなければならない。

第123条(外国駐留軍)
 ①外国の軍隊による永続的な駐留は認められない。
 ②外国軍による補給、救助等の要請は、内閣によって判断され、議会の承認を受ける。
 ③大量破壊兵器、生物、化学兵器の国土への持ち込みは、外国の軍隊であっても認めら
  れない。

第124条(国防軍の解散)
 国防軍は、以下の目的が達成された場合解散する。その場合、災害救助などを主とする新
 たな部隊は設立される。また安全保障は警察、もしくは別に設立する新たな部隊に任せら
 れる
  ①日本国国境の国際的な認知と確定。
  ②大量破壊兵器及び生物、化学兵器の全廃。
  ③国際的な共同軍が創設されたとき。もしくは軍事力の廃絶が国際決定したとき。
  ④国民投票によって廃止を決定したとき。

  第8章  財政

第125条(財政処理の基本原則)
  財政は国民から徴収された税が中心となるものであり、その健全性は常に確保され、そ
 の処理する権限は、議会の採決に基づいて、行使しなければならない。

第126条(租税法律主義)
 ①新たに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によ
  ることを必要とする。
 ②租税制度は簡明でなければならない。

第127条(国費の支出及び国の債務負担)
  国費を支出し、又は国が債務を負担するには、議会の採決に基づくことを必要とする。

第128条(国債、及び自治体、公的機関の債権)
 ①国債などの、公的な債務は、全て将来の国民が負担するものであり、その不履行は認め
  られない。
 ②国債、自治体、公的機関が発行する債券は、その年の予想収入の3分の1を越えてはな
  らない。
 ③5年以上連続して、同一機関で債券を発行する事は認められない。

第129条(予算の作成と議決)
  内閣は毎会計年度の予算を作成し、議会に提出して、その審議の採決を経なければな  
 らない。

第130条(予備費)
 ①予想できない事態に対処するため、議会の採決に基づいて予備費をもうけ、内閣の責
  任でこれを支出することができる。
 ②予備費の内容については議会に報告しなければならない。

第131条(皇室財産、皇室費用)
 ①天皇の国事行為及び一般支出は国費から出され、議会の承認を得ねばならない。
 ②皇室の持つ財産は、すべて国に属する。

第132条(公の財産の支出、利用提供の制限)
 ①公金を一部の組織や団体の利益のために使用してはならない。
 ②宗教行為に対する公費の使用はこれを許可しない。
 ③国で認められない、慈善、教育、文化、博愛の事業への公費の支出は認められない。
 ④公費の補助を受けている団体に対しては監査を行い、目的から逸脱した使用等に関し
  ては、利用の制限及び返還を求める。
 ⑤年金は、功労金として国家に特別に寄与した人間に与えられるものであり、永続的で普
  遍的な制度にはなり得ない。

第133条(軍事費負担の制限)
 ①軍事費の国庫負担は最大で10パーセントを超えてはいけない。
 ②軍事上の理由で、新たに税制度を設けてはいけない。
 ③軍事費の詳細の公開は、議会の承認が必要である。

第134条(国費による利益約束の制限)
  財政は、現在の国家活動等で使用されるものであり、債務をのぞき、国、又は公共機
 関が、将来の金銭的な利益を約束することを禁じる。
 
第135条(会計局)
 ①行政、司法、国防軍、皇室の会計監査は、議会直属の会計局がおこなう。但し、会計
  監査およびその業務は公平性を保つため独立した権限を持つ。
 ②会計監査時に何らかの疑義が生じた場合、会計局に独自の調査権が与えられる。この
  調査権には、関与する人間の拘束及び資料の押収などの権限も与えられる。ただし、
  調査はすべて記録され、行政裁判所に提出される。
 ③会計監査において不正等を確認した場合、即時に議会へ報告し、議会より行政裁判所
  へ審査依頼をする。
 ④会計局は、年次監査を議会へ提出し、またそれを公開する。
 ⑤会計局長は国民から議会が指名する。公共の機関に属するものの兼職は認めない。
 ⑥その他の要件は、別法にて制定されるものとする。

第136条(内閣の財政状況報告)
  内閣は国民に対し、少なくとも毎年2回、国の財政状況について報告しなければなら
 ない。

  第9章   地方自治、地域共同体
第137条(地方自治体の区分)
 ①国家の中における行政、政治的な区分として地方自治体を設ける。
 ②地方自治の区分は以下の通りとなる。
  都、府、県・・都は首都としての機能を持つ地方自治体であり、府は県の地域的集合で
         ある地方の首府的な存在となり、県は市町村をまとめた区分となる。
  市・町村・・・市は各県の中において区分された自治体であり、町村は市の中で区分さ
         れた地域共同体の名称となる。
  地方・・・・・地方は広域の県の集合となり、その中心は府となる。
  離島、島嶼部、山岳地域・これらの地域は国の直轄化に入る。
 ③地方自治体の区分は、議会の承認をもって行われる。

第138条(地方自治の基本原則)
 ①地方自治体の組織及び運営に関する事項は、すべて憲法の理念に則った法律で定め
  られる。
 ②地方自治の政策、行政事務の責任は、すべてその規定された地域が担う。
 ③地方議会、行政の制度、組織は国に準じ、憲法で定められた範囲を超えてはならない。

第139条(地方公共団体の権能、条例制定権)
 ①地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、行政を処理する権能を有する。
 ②法律の範囲内で条例を制定することができる。条例の拘束力は10年までとし,罰則
  を付帯できる。
 ③条例の、憲法の整合性と解釈権を確認は、行政裁判所によって行われる。

第140条(地方公共団体の制限)
 国は、公共的な面から以下の地方自治の権限を制限する。
  ①義務教育学校の運営
  ②主要幹線道路の運営、管理
  ③司法の広域捜査の権限
  ④廃棄物回収、処理の権限
  ⑤その他議会によって法令化された権限

第141条(特別法の住民投票)
  特定の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地
 方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、議会はこれを制定す
 ることができない。

第142条(地方債の発行)
 ①地方公共団体の発行する債券は、法令によってその発行量を制限される。
 ②地方公共団体の財政が再建による依存度が高い場合、政府は地方公共団体に対し警告
  を発する事が出来る。
 ③再建の依存による運営が大きい地方公共団体の財政は、国の会計局による監査が必要
  となる。

第143条(離島、島嶼部の自治)
 ①国内の離島、島嶼部の自治権は、法の定めた海域によって集約される。
 ②離島、島嶼部の予算は、国の予算配分を各自治体が議会で策定する。
 ③行政事務は、国によって一元化されるが、予算の範囲であれば各自治体で独自のサー
  ビスを行う事が出来る。

第144条(山岳地域)
 ①自然環境、資源を守るため、また自然災害に備えるために、自治体の範囲を越える山岳
  地域は国の直属下とする。
 ②山岳地域の土地の売買いは、原則として認められない。
 ③山岳地域の保護、開発は、国の管理下に置くものとする。またその利益も、国庫に収容 
  される。

第145条(地域共同体の意義)
 ①地域共同体は最小の行政組織となり、町村としてその区分が定められる。
 ②すべての国民は、居住地域の地域共同体に帰属し、参加しなければならない。
 ③すべての国民は、地域共同体に化せられた行政義務を公平に分かち合わなければなら
  ない。

第146条(地域共同体の限界)
 ①地域共同体は、公共の義務以上の制約や強制を、個人に課す事は出来ない。
 ②地域共同体における規則制定は、所属する住民の同意が必要であり、憲法その他法律の
  範囲を逸脱してはならない。また、罰則を設けてはならない。

第147条(地域共同体の運営)
 ①18歳以上65歳未満の成人は、地域共同体の構成員としての役割を公平に果たさな
  ければならない。
 ②地域共同体の運営予算は、地方自治体から支給される費用と、共同体員からの毎月の運
  営費の徴収によってまかなわれる。
 ③行政義務は、各1年間、持ち回りで執行しなければならない。また、行政裁判所に認
  められた理由以外、これを拒否してはならない。
 ④地域共同体の構成員は運営に対し忠実に履行しなければならず、義務について無断で
  代理を認めたり、金銭、圧力による交代などを行ってはならない。同一の職、義務を連
  続でおこなってはならない。

第148条(地域共同体の行政義務)
 各地域共同体は、以下の行政義務を所属する個人に課さなければならない。行政義務
 を施行する国民は、準公務員として扱われる。
 ①地域共同体の長、及び役員業務
 ②地域共同体の保安業務
 ③地域共同体に所属する義務教育対象生への道徳教育
 ④地域共同体の環境整備業務
 ⑤地域共同体に所属する受護者の生活補助、介護補助
 ⑥地域共同体の伝統的な行事、及び文化事業の実務者
  細則は別法にて制定する


  第10章   教育   

第149条(教育の理念)
  日本国における教育は、国民の持つあらゆる未知の機会のため、また未来へと続く民
 主主義社会の為に、学問、道徳、法社会に渡るすべての内容を国民に対し公平に行い、同
 時に個人の才能の育む、均衡のとれた教育を目指し、実現することを国家が保障する。

第150条(義務教育の平等)
 ①義務教育は、すべての国民に平等に行われ、これを阻害してはならない。
 ②義務教育は、公的な機関を利用する事に限り、無償で行われる。
 ③義務教育は、国によって運営され、地域による格差を是正しなければならない。

第151条(義務教育期間)
 ①義務教育の期間は、原則として初等学校6年、中等学校3年、高等学校、高等専門学校
  3年の計12年となる。
 ②個人の能力によって早期修了、又留年は認められる。

第152条(教育の内容)
 ①教育の内容、カリキュラム、教科書は、原則的に国の教育行政によって定められる。
 ②義務教育における地域教育の内容、また副読本などは、各教育委員会によって定めら
  れる。
 ③義務教育学校の教師は、生徒に対し、個人の思想、信条等を強制してはならない。ま
  た政治的志向を教育上で現してはならない。
 ④定められた教育の期間中、教育の妨げになるような活動行為は禁止される。

第153条(学校の設立)
 ①国家は義務教育に関わるすべての学校の、施設、環境を整え、学校を開設する義務が
  ある。
 ②私立の学校の設立は、これを認める。但し、公共の財政からの支援は制限される。ま
  た私立学校生への行政による援助は行わない。

第154条(大学校)
 ①国家は必要な人材を育成するために、大学校を設立する。
 ②国立の大学校の地域格差は是正される。専門的な学習は、その部がある地域に出向き、
  学ばなければならない。
 ③大学校の研究等で生じる利益は、その案者と学校によって二分される。また組織、機関
  等からの契約に基づく利益は、契約者と学校によって二分される。
 ④大学校への入学を人数以外に制限してはならない。学習を必要とする国民が、選考で及
  第すれば誰にでも門戸は開かれる。
 ⑤大学校は教育のための機関であり、それとそれに準じる活動以外は認められない。

第155条(教育委員会)
 ①地域公共団体の枠の中で、義務教育に対する諮問機関として教育委員会を設置する。
 ②教育委員会の委員は、該当地域から選挙によって選ばれ、任期は3年となる。
 ③教育委員会の委員の連続しての再選は認められない。
 ④教育委員会は、該当地域からの教育上の請願を受けたとき、調査する権限を持つ。
 ⑤その他細部の要件は別法にて定める。

第156条(国家資格)
 ①国家資格はすべて10年の期限を持つ。
 ②3期にわたり資格を継続したもの、及びその資格に対し十分貢献したと認められたも
  のは、永続的な資格を得ることが出来る。
 ③国家資格に対し、公認されていない学校による教育は認められない。また、資格は、
  十分な知識、経験を必要として得られるものであり、資格試験専門の学校、私塾、
  教科書などは認められない。

  第11章  産業  金融

第157条(公平な競争の維持)
 ①産業、金融の育成、発展を阻む独占的な企業及び企業連合の設立は禁止する。
 ②巨大な寡占力を背景とした不当な原価価格の引き下げ、設計の開示等のあらゆる企業
  圧力を禁止する。
 ③公平な競争の維持を確保するため、公平競争維持委員会を設け。議会に直属する。

第158条(労働報酬)
 ①利益を目指すすべての企業、組織は、雇用者に対し、正当な労働報酬を支払わなくて
  はならない。
 ②労働報酬の種類は、金銭等だけではなく、雇用者との契約によっては、住居、物品等
  での支給も認められる。但し、生活を補償する金銭の支給は行わなければならない。
 ③労働経験、資格以外での、男女、年齢、学歴、外国人等の条件による労働報酬の差別
  は認められない。

第159条(産業、企業、組織の遵法、広益性)
 ①日本国に籍を置く、企業、組織、代理店は、すべて日本国の法例を守らなければなら
  ない。また、企業の定める規則等は、憲法の定める範囲を逸脱してはならない。
 ②すべての産業、企業、組織は、広益性の下に存在している。
 ③広告、表示、説明において、誇大な表現、虚偽等は認められない。
 ④道義的に認められないものに関しては、制限されることがある。

第160条(生産、製造物責任)
 ①日本国内におけるあらゆる生産、製造物には、生産、製造者の責任が求められる。
 ②生産、製造物には責任期間が設けられ、その間の販売に関しては、生産、製造者の責
  任を求めることができる。責任についての判断を下すのは、裁判所となる。責任期間
  後の販売はすべて、購買者の責任となる。
 ③輸入製品等に関しては、すべて販売者が責任、及び責任の代理を負う。裁判によって、
  生産、製造者に責任が認められた場合、販売者が代理で保障をおこなう。
 ④生産、製造、販売において、未確認及び理解できないものを消費者に提供した場合、
  その責任はすべて生産、製造、販売者に帰属する。

第161条(不当価格の禁止)
 ①商品、サービスの通常価格は、原材料、開発設備、労働力等から割り出される公正な
  ものでなければならない。
 ②購買力を以て、生産者に価格圧力をかけることを禁止する。
 ③虚偽の情報による価格操作はこれを認めない。

第162条(過剰な金融投資の制限)
 ①過剰な金融投資は制限される。
 ②金融投資の制限は、国際市場の動向と協調に従い、議会によって決定される。

 第12章   外国人

第163条(外国人の身分)
①外国人に対して日本国民に課せられる義務は発生しない。
②外国人の長期滞在は、本国の許可と、日本における審査が必要となる。
③外国人の身分は本国に帰属し、その保護や保障も、原則的には本国に責務がある。

第164条(外国人の制限)
①外国人の土地取引は原則的に認められない。また第三者を通じての所有も認められない。
②外国人に対して、人道的な危機が見られない限り、特別な権利や公的な支援は与えられな
 い。
③滞在中の外国人の不法行為は、国内法によって裁かれる。ただし条約によっては、その刑
 務は本国に送還の上、服するものとする。

第165条(外国人の日本国籍取得)
①外国人が一定期間を日本ですごし、また本国への帰還の意志が無いとき、審査を経てに日
 本国籍を取得する事が出来る。
②日本国籍を取得の際に、新たな姓氏を設定する事が出来る。ただし、その姓氏に続く名前
 を変更してはならず、出身国の名前を使用するものとする。

第166条(外国人の保護)
①国内において事故、または災害に被災したとき、国家は外国人を保護する義務を持つ。
②外国人の政治的亡命は、議会の承認を経て、認められる。
③外国人の労働報酬等は、国内の基準と同じであり、差別してはならない。
④国際機関より、外国人の保護要請があった場合、議会の承認をもって受け入れる事とす
 る。







                   山田  忠弘

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